秋になってくると思い浮かぶのは「お月見」ですよね。
筆者のイメージとしては、お月見=満月=十五夜 という感じでした。花瓶に挿したススキの横に白いお団子を積んで、満月を見るものだと思っていました。
しかし、調べてみたら、お月見をする日は必ず満月というわけではないというのが分かりました。(ものすごいカルチャーショックでした!)
お月見をする日「中秋の名月」について、その由来から、供える食べ物、なぜ十五夜なのに満月とは限らないのか、2016年の中秋の名月は満月を見れるのか、徹底解剖していきます。
中秋の名月とは?
旧暦の8月15日が中秋の名月と呼ばれるお月見をする日です。なんとなく15日って満月な気がしますよね。「十五夜お月さま」とかいうくらいだし。
旧暦は新月(月が見えない日)を月の初めに設定します。新月から満月や満月に近い形になることが多い15日が十五夜と呼ばれ、そのことから、多くの人の中で十五夜=満月という構図が出来上がっているのだと思います。
しかし、旧暦の8月15日が必ずしも満月であるとは限らないのです!
中秋の名月は満月じゃないことも・・・
出典:http://www.tv-tokyo.co.jp/newsanswer/blog/kubota/2012/09/post136586.html
中秋の名月は旧暦の8月15日で固定されています。しかし、月が地球の周りを回転する軌道が完全な円ではないことが原因で、満月の日はその月によって14~17日の間で変動します。
そのため、中秋の名月(十五夜)が必ずしも満月というわけではないのです。
2016年が満月かどうかは、最後の章で紹介します。
お月見の由来は?食べ物は何を供えるの?
毎月十五夜があるのに、なぜ旧暦の8月15日だけ月見をする習慣になったのでしょうか。また、お月見にはどんな食べ物を供えるのが正しいのでしょうか。
お月見の習慣は中国から
月を愛でる習慣としては日本でも縄文時代くらいからあったと伝わっています。
ただし、月を見ながら飲食をするという習慣は宋の時代くらいからの習慣のようです。
その後、日本が平安時代の頃、貴族社会に月見の習慣が伝来します。日本では、貴族が月を見ながら、歌を詠んだり、楽器を弾いたりしながら酒を呑む、雅なイベントだったようです。
日本には旧暦の8月15日にサトイモを食べる習慣があったため、江戸時代中期頃からはサトイモを模して作った白い団子を供えたという記述があります。
また、旧暦の8月15日は秋の収穫の時期に重なることから、中秋の名月が、徐々に五穀豊穣を願う行事として定着していったものと考えられます。
お月見に供える物は?
お月見といえば、お団子とススキは誰しも思い浮かぶ物ではないでしょうか。しかし、地域によって、供える物は全然違ってきます。全国ではどんな食べ物を備えているのか紹介します。
・ススキはどんな意味があるの?
ススキは古来から神様の依り代や魔除けの意味があります。また、お月見の時期にはまだ稲穂が色付いていないため、黄金色になった稲穂の形や色に似ているススキで五穀豊穣を願う意味合いもあるようです。
・多くの地域ではイモやお団子を供える
昔から8月15日にサトイモを食べる習慣があったので、サトイモをやサツマイモを供えたり、サトイモに見立てた白いお団子を供えます。
・豆や栗を供える
昔は旧暦の9月13日(十三夜)にも月見をする習慣がありました。その頃に収穫を迎えるのが豆や栗です。今ではほとんど行われませんが、十三夜の名残で、中秋の名月に豆や栗を供える地域もあります。
・地域によっては野菜や果物も
五穀豊穣を願う行事なので、その地方でその時期に取れる野菜や果物などを供えるところもあるようです。秋に旬を迎えるブドウは、実がツタでたくさん繋がっていることから、人間関係を良くする果物として供えるところもあります。
◆中秋の名月の動画
一番最近中秋の名月に満月になったのが、2013年です。その時の満月の様子がこちらになります。
2016年の中秋の名月はいつ?
2016年の中秋の名月はズバリ、9月15日です。今年の中秋の名月は残念ながら満月ではありません。2016年は17日に満月になるので、2日の差です。とはいっても、専門家でもないので、肉眼で見る分には、満月とはほとんど違いは分からないと思います。
🔻画像 左:十五夜 右:十七夜
私には違いは分かりません・・・^^;
月見は元々神様に祈る行事というよりは、月を見て楽しむことが起源です。
伝統に則ってススキを飾って、お団子や野菜を供えて、なんて大変ですよね。そこで食べるのはお団子じゃなく、月見バーガーでも、月見そばでも良いと思うんです。大切なのは家族や大切な人と一緒に月を見るということ。
現代社会を生きていると、月や星を見たりする機会はあまりないですよね。2016年の中秋の名月は、ぜひ大切な人と月を見てください!
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